リアル感が増す今日この頃
先日、大分臼杵の学志さんから連絡があった。
『母の理念の源泉がどこなのか捜しているんですが・・ 鷹尾さんは、母に話をされましたか?』
という内容だった。
10年前の事である。
黒田夫婦と出会い、『地元に帰りグループホームを運営したい』という熱い希望であった。奥さんが看護師で、ご主人は携帯電話の会社におつとめであった。子育ても終わり、今後の人生、地元に帰って介護の必要な方々のお役に立ちたい・・ という意向であった。
トツトツとした語り口の奥に潜むその熱い気持ちが、ビンビンと伝わってきた。
ある日、ご主人と一緒に実家に向かい、拠点となる場所を視察する。そこには、昔から生活してきた平屋の家があった。
地域柄・環境・人口・生活水準等々を考察すると、新築でグループホームを運営する・・というイメージがどうしても湧かなかった。
それよりもむしろ、富山で見た『この指とーまれ』のイメージがどんどん湧いてきて、この地域にあの事業態があると、随分地域の方も喜ばれるだろう。。と思った。
福岡に戻り、自分の考えをまとめ、黒田夫妻と面談した。
『私は、富山の・・・』
すると、奥様がその構想に賛成されたのだ。
『私は昔からそういう事がしたかった。』
それ以降、その構想を具現化させ、資金調達を苦労の末何とか実現させ、最低限の投資でスタートまでこぎつけた。
オープン前夜黒田家に伺い、食事を共にしながら、明日からの激闘を前に今までを振り返った。
すると、ご主人から意外且つ図星の言葉が飛び出した。
『この事業は、本当は鷹尾さんがしたかった事業なんでしょう?』
返す言葉が無かった。
それからと言うもの、喜怒哀楽・山あり谷あり・・ の月日を経て、いよいよ奥さんが掲げていた行動へと踏み出すのである。
『障がいをお持ちの方を採用しました』
と学志さんから教えて頂いた。
奥さんとしては、『お年寄りも・子供達も・障がいをお持ちの方も・・ この街で暮らす仲間と共生を!』を掲げ、その実行に遂に一歩を踏み出されたのです。
臼杵市で行われるシンポジウムで、奥さんの活動に興味を持つ主催者からの依頼で活動報告をする事になったと云う事で、『いつからこの理念を掲げる事になったのか?この理念に関する話を誰かから聞いたんだけど、誰から聞いたのか?たしか・・』
あれから10年。
いよいよ第2章が始まった。
いろいろな人の想いがいっぱい詰まった奥さんの掲げる理念。。
これを実現させる為に、日夜、『前に!前に!』進んでいる。その歩みは少しづつかもしれないが、確実に歩を進めている。
その裏には、両親の想いを受け止め、その想いを実現させる為に、自らを捨て懸命に支えている学志さん家族がいる。
この行動が、全ての人の想いを1つにする第一歩に繋がると確信してならない。
まだコメントはありません。