人間見聞録・・80歳後半の男性
おはようございます。
ある人の人生談を聞いた昨日、身体中の細胞がざわめいた。
戦時中、特攻隊に志願。いつくるかわからない突撃命令を待つ日々。仲間達は、1人、2人と帰らぬ人になっていく。
そんな中、終戦を迎え、自分が何者であるか、わからなくなる氏。
そんな折、美術・芸術家への道を選び、必然の中ある本と巡り会う。パリに留学する事が当たり前の時代、その本で見た作家がいるイタリアへ。1年という留学期間、本で見、心酔している作家のもと、何も出来ずに終わってしまう。何の迷いもなく、通学中の日本の大学を辞め、その作家を師と慕い、その師から学び取る事に専念した氏。
そんな折、氏の行動を見ていた師により認められ、弟子として指導を受け、いよいよ芸術家としての道を歩む。
しかし氏には、師匠の模倣は出来ても自分が表現出来なかった。師より、『君は日本人だ。忘れるな』と示唆を頂く。しかし、師の殻から抜け出る事の出来ない氏。
偶然であろうか? 必然であろうか?
氏の自宅には、木片があった。冬の寒さを凌ぐ為、近所にある木板を拾い集め、整然と並べていた。
それがある日、その木板が床に散らばっていた。その光景を見た氏は、『なんと美しいんだろう。ワビ・サビのある光景だ。そうだ俺は日本人だ。』このシーンこそ、氏が開眼するその瞬間である。
その後の氏は、師匠を始め、多くの方々より氏独自の作品としての評価を受け、80歳後半の現在もご活躍中である。
この氏の話を伺うと、何の迷いもない。周り・・ではなく、いつも自分の心に話しかけている様に感じた。そして、前向きに素直にモノを見る感性に何のブレもない。
自分に問い、我 感ずるままを 行動す。 我以上なく 我以下なし 我は我なり。 そんな言葉が聞こえてくる様です。
常に見つめるべきは、我が心。 この根の深さと安定が必要なんだ。。
あんな氏の様になりたい。。
まだコメントはありません。