人間見聞録・・夫婦愛

Aさんという入居者の方がいます。

要介護4で、高次機能障害をお持ちで、車椅子生活をされています。

Aさんがご入居され、現在までに、数々のドラマがありました。現在、そのドラマは継続中です。

出会いは、Aさんの奥さんから頂いた1本の電話でした。

『主人は、佐賀の病院に入院しています。〇〇〇〇・・という経緯で、今、その病院に入院しています。でも私は、主人を私の傍に連れ戻したい。主人の傍で、主人を支えたい。。』

夫を愛する想い、妻としての義務感等々、奥様の想いが痛いほど理解できた松岡ホーム長は、現在の職員さんの精神力と能力で、おうけできるだろうか?と1人で苦しみました。気持ちがわかるだけに特にです。

『決めた!!私が、最期の最期までお世話をする。。』

その決意は、強烈なエネルギーと変わり、オーラを放っていました。その結果、関門である入居委員会も、皆からの満場一致の共感を勝ち取り、ついについに入居の日を迎えました。

満面の笑みに、一抹の不安を持ちながら、奥様が挨拶にお見えになられました。次に、不安そうな顔をしたAさんが、奥様と一緒に車椅子でお見えになりました。お顔を拝見すると、不安を秘めた顔でした。。

ほどなく、生活が始まります。

生活直後、不安が突然の奇声になり、周囲の人達は、だんだん距離を置いていくようになりました。

『もしかしたら、退去といわれるかもしれない。』

奥様は、そう思ったかもしれません。

周囲に気を遣い、『すみません。すみません。』と腰がいたくなるのでいか?と思う位、低姿勢で周囲の方々に謝罪されます。また、妻として、職員さんと一緒に、懸命に介護もされます。その様な姿を職員や、他の入居者様が静かに見ていました。

『奥さん、私が体を張ってAさんを守ります。心配いりません。ずーと安心してここで生活されて下さい。』松岡ホーム長が奥さんにしっかりと伝えました。

奥様の目から、キラリと光るものが・・・

その様な時期が続いていたある日の事です。

どこからとなく、ギターの音色が聞こえてきます。『どこから聞こえてくるんだろう。』その音をたどっていくと・・・

なんとAさんが『禁じられた遊び』をひいているではありませんか? その横には、奥様ではありませんが職員の中村さんが、拍手・拍手・ブラボー!・ブラボー!と言っています。

まさに、笑顔畑にマイナスイオンが漂っていました。他の職員も、笑顔でその光景を眺めていました。『Aさん良かったね。。入居して頂いて良かったね。。』そんな声が聞こえる様な笑顔でした。。

『良かった・良かった』そう思いながら事務所に戻っているその時です。何と、グットタイミングで奥様がおみえになりました。

『奥さん、Aさんが・・Aさんが・・』

奥さんの目の奥に光るものが・・・

『松岡さん、ありがとう。本当にありがとう。。』 涙ながらに松岡さんの手を握り、心から感謝される奥様に、『私は気を入れ、口だけ動かしていました。ここまでの道のりは、奥様と職員、そして、他の入居者の方の温かい理解ですよ。』

さりげなくこういう松岡さん。。

今もこのドラマは続いています。

どこの現場も、とっても・とってもガンバッています。。

家族愛や夫婦愛に触れさせて頂き、その愛が成就する為に、良き介在役になる事は、難しい事だと思います。しかし、難しい・・と言って、そこから逃げていては何の進歩もありませんし、その愛を成就させる事ができません。困難な場面も当然ありますが、その時は、私達が触れたその愛に感動した事を思い出し、それを乗り越え、良き役割を果たしたい・・そう思います。

Aさん、奥さん、いつまでも幸せに・・そして、いつまでも愛し合う関係でいて下さい。。

Filed under: スタッフ日記 — takaotsuyosi 5:39 PM  Comments (0)
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